ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 その理由は知る由もないけど、本気で怒ってたら私をあの時お父さんのところへ連行していたはず。

 という事は、春君なりに見て見ぬふりをしてくれるみたいだ。

 内心そんな事を考えながら、乙華と談笑しつつ昇降口まで向かう。

 するとその途中、突然大きな声を耳にした。

「ちょっと! いくら何でもその言い方はないでしょ!」

「マリアがどんな気持ちで告白したかも知らないで……断るにももっと言い方があるんじゃない!?」

 怒声のようなそれに、乙華と二人揃ってびっくりする。

「け、喧嘩かな……。」

「いや……告白とか言ってたし恋愛絡みの話よ! ちょっと覗いてみないっ?」

「あ、ちょっと乙華……!」

 さっきの怒声の内容に興味津々な乙華が、タッと走って声がした教室へと向かう。

 その教室は1―4らしく、つい『あれ?』と思ってしまった。

 4組って、もしかして……。

「暁、あそこにいるのって高峰君じゃない!? まさか修羅場!?」

 なんて考えていたら、先に中の様子を見たらしい乙華が小声で教えてくる。