ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 だから、ちょっと思ったんだ。

「何で、司君はそんなに心配してくれるの? 自分の立場のほうがよっぽど危ないのに。」

「危ないなんて俺は一度も考えた事ないけどね、暁なんて敵じゃないし。」

「なっ……! 私だってその気になれば、司君くらいちょちょいと捕まえられるんだから!」

「けどできないでしょ、暁は俺たちに情を抱いてるから。」

「……、知ってたんだ。」

「まぁね。……そういうとこ、本当望さんとそっくり。」

 そう言いながら、噛み跡をなぞる司君。

 その顔は懐かしんでいるようにも悔いているようにも見えて、つい口に出してしまった。

「望さんも、こうだったの?」

「あれ、知ってるんだ、望さんのこと。……まぁ、同じハンターだもんね。」

 司君の呟きに軽く頷きながら、彼の足元に腰を下ろす。

 すると窓の外を見ていた司君は、私につられるように隣にしゃがんだ。

「望さんは俺たちに、すごくフレンドリーに接してきたらしくないハンターだったよ。色々と連れ回したり、変な思いつきが多かったり……でもそうじゃなかったらずっと、塞ぎ込んでたままだったと思う。少なくとも俺はね。」