ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「とりあえずこれで大丈夫だと思う。しっかり眠ってるし、病院は明日行くように後で言っておくよ。」

「ありがとう司君、助かったよ……。」

 ソファで眠っている蘭君を眺めながら、手伝ってくれた司君にお礼を伝える。

 司君が来てくれなかったらどうなっていた事やら……来てくれて本当に良かった。

 ほっと安心しながらはにかむと、司君は扉を親指で指して優しく微笑む。

「暁、ちょっと外で話さない? 蘭の状態も知りたいし。」

「もちろん!」

 蘭君を起こさないように小声で話し、部屋の温度設定をしてから一緒に部屋を出る。

 でも立ち止まったのは部屋の前で、入学当初に司君と鉢合わせたところだった。

 司君はぼんやり夕焼けに染まる外を見つめながら、私に尋ねてくる。

「蘭、ヒートブラッド病だよね。いつかかったのか分からないけど、暁が来た時はもうああだった?」

「うん。……でも多分、2週間前に症状は出てたんだよね。その時見た蘭君、もうすでにフラフラしてたから。」

「潜伏期間長いんだな……分かった、蘭が起きた時にそれも伝えとくよ。」