ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 ……とにかく落ち着かせなきゃ! こういう時は……な、何をすれば……。

 そうこう慌てている内にも蘭君の吸血衝動は強くなる一方、だから早く対処しなきゃなのに!

「……俺、もう無理。早く吸血しなきゃ死んじゃうよ。」

 いい案が一向に思いつかない私の前で待つ事に我慢が来たのか、蘭君がジリジリにじり寄ってくる。

 私の頭の中はぐちゃぐちゃに混乱していて、まともに考えられない思考回路になっていた。

 もうこうなったら……!

「だ、誰でもいいから来てーっ!」

 そう、心の中の叫びをそのまま口に出した……とほぼ同時だった。

「蘭!? 暁に何やろうとしてんの……!」

 すっかり夏服に衣替えしていた、蘭君に動揺しまくっている司君が入ってきたのは。