ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「わっ……!」

 幸せそうに噛み締めながら私を強く抱きしめる蘭君は、本当に嬉しそうでこっちも微笑んでしまう。

 これで蘭君の安心は保証できた、けど……本当にそろそろ休まないと。

 ヒートブラッド病は甘く見ていたら痛い目を見る病気だから、その事を蘭君に伝えようと口を開く。

(いた)っ……。」

「やっぱり暁ちゃんの血、ほしいかも。ね、ちょっとだけ味見させて。」

 でもその前に蘭君が首筋を甘噛みしてきて、反射的に短い言葉が洩れる。

 そして畳み掛けるように耳元で囁いてきた蘭君の胸板を押し、急いで距離を取った。

 落ち着いたと思ったら今度は吸血衝動……!?

「ちょ、ちょっともダメ!」

「何で? 減るもんじゃないしいいでしょー?」

「血液はちゃんと減るし、と、とりあえずダメ! 蘭君ステイだよ!」

「暁ちゃん、俺犬じゃないんだけど。」

 そ、それは分かってるけど……!

 けど蘭君に吸血されるのに少し抵抗があるっていうか、蘭君が嫌いなわけじゃないけど嫌っていうか……。