ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「い、嫌ってわけじゃないけど……」

「じゃあいいよね〜、暁ちゃん来なくてずーっと寂しかったんだよ〜?」

 な、なんて暴論……。

 ヴァンパイアたちに曖昧な返事は肯定と取られてしまうのが普通なのか、再び抱きついてくる蘭君。

 蘭君って私より大きいから重たい……ど、どうしよう。

 完全に困ってしまいお手上げ状態になったその時、不意に蘭君が呟いた。

「……ねぇ暁ちゃん、暁ちゃんの血って美味しそうだよね。」

「へ?」

「ちょっとだけでいいからさ、吸血していい?」

 そう言って、蘭君は遠慮なしに手に噛みつこうとしてくる。

 そ、それはちょっと待っ……!

「……って、蘭君ほっぺた赤くない?」

「え? そう?」

「うん! 絶対いつもより……でも熱じゃなさそうだし、これって……」

 振り返り急いで止めようとしたら、視界に飛び込んできたのは頬が火照った蘭君だった。

 だから熱なんじゃないかっておでこを触ってみたけど……熱いわけじゃない。

 なのにこんな分かりやすく熱っぽいなんて……――ヒートブラッド病?