ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 ――あれから2週間が経った。

「暁、帰るぞ。」

「う、うん……。」

 だけど私はみんなのところに行けずじまいで、みんなの状態が把握できていない。

 と言うのも、放課後になるとすぐ春君がやってきて私を連れて帰ってしまうんだ。

 抗議しても無駄で、反抗しても春君の力には敵わない。結局強引に寮に送られてしまう。

『……ここからなら校舎まで行ける! よしっ!』

 一度だけ、寮に帰った後みんなのところに行こうとした。

 女子寮と校舎は少し遠いけど、ちょっと回り込めばバレずに行けるはず。そう思って、春君に内緒で戻ろうとしたんだ。

『おい暁。どこ行くつもりだよ。』

『なっ、何で春君がここに……』

『暁ならこうする、って思っただけ。あいつらのとこ、行こうとしただろ。』

 ……それでも春君には見透かされていて、道中で見つかり怒られてしまった。

 春君の観察眼は私よりも秀でているし、男の子の彼にはどうあがいたって最後には力の差で何も言えなくなる。

 私は……春君の思う事もやる事も間違ってるとは言わない。