ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 改めて覚悟して、すごい剣幕の春くんに向かって負けじと睨む。

「馬鹿な事を言うな。お前、あいつらに感化されたとか言わないだろうな。」

「もしそうだったらどうするの?」

「っ……俺が何でこんな事を言うのか分かってるだろ!? お前に兄さんと同じ道を辿ってほしくないんだよ!」

 納得していない表情で顔を歪ませながら、詰め寄ってくる春君。……春君も春君で、引かないな。

 これ以上この話を長引かせるわけにはいかないし、これじゃいたちごっこ……。

「暁ちゃんみーっけ。」

「えっ!? 蘭君、何でここに!?」

 そう思い始めたと同時に聞こえたのは、陽気な蘭君の声。

 私も春君も驚いて視線を向けると、蘭君は「よっと。」と窓から入ってきて私の肩を真っ先に抱いた。

「だって暁ちゃん遅いんだもーん。だからみんなで探し回ってたんだけど、ここにいるとは想定外。……というわけで、暁ちゃん連れてくから。」

「……悪いけどそれは遠慮してくれないかな。俺たち、まだ大事な話してる途中だから。」

「そうは言ったって暁ちゃんは俺たちと対等に仲良くしてくれる子だから、たくさんお話したいんだよねー。ねっ、暁ちゃんもそうでしょ?」