ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 みんなにもお昼は乙華と過ごしたいからって前に宣言したし、他学年の階に用もなく来るのはダメって言われてるから春君も来ないはず。

 でも、放課後どうしよう……みんなのところに行きたいけど、春君が許してくれないよね。

 一瞬そう思って沈むけど、すぐさま首を左右に振る。

 ううん、そんなの気にしないほうがいいよね。何も春君の言う事を聞きなさいって言われてるわけじゃないし、私は私のやりたい事をやればいい!

 そう思い直した私は重荷が取れたように深い息を吐いて、乙華と談笑しながら楽しいお昼を過ごした。



 ……よし、早速行こう!

 さっきの体育でバドミントンの試合をしてヘトヘトだけど、春君が来ない内に教室から出てしまおうと考える放課後。

 周りに紛れたらバレないはずだし、遠回りになるけど見つからなさそうなルートもある……うん、大丈夫!

 両手をぎゅっと握ってスクールバッグを背負った私は、駆け足で教室を後にする。

 HRも終わってさほど時間が経っていないからか廊下には生徒がいっぱいで、これならきっと……と安心した。