ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 司君は元々人気だし春君もかっこいいから、自然と注目されてしまっている。

 か、肩身が狭い、狭すぎるっ……!

 注目慣れしていない私はもうこの時点で頭が上手に働いておらず、あたふたするだけで精一杯。

 それでもなお私に決断を委ねてくる二人に、私が捻り出した結論は。

「ふ、二人で仲良く登校すればいいと思うっ!」

 ほぼ叫びながらそう言葉を残し、水が跳ねるのも気にせず走って逃げ出す……だった。



 ……なんか、どっと疲れた。

 教室の窓から見える雨に濡れた校庭を、机に突っ伏しながら眺めるお昼。

 春君がどうなったかは知らない。多分、いろんな生徒に捕まって騒がれたんだろうけど……私には関係ない。

 ああいう状況苦手だって春君知ってるはずなのに、いじわるは健在というか。

 でも流石の春君も、あんな公共の場で喧嘩をふっかけたりはしないだろうし。

 けど気になるよなぁ……春君からすれば、司君は因縁の相手だし。春君が望さんの件を知ってるのかは分かんないけど。

「暁、そんな疲れた顔してないでお昼食べましょ!」