ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「……圷春だよ、君の1個上になるかな。まぁあまり接点はないだろうけど、よろしくね。」

「はい、こんなにかっこいい幼馴染がいたなんてびっくりしたな。……そうだ、俺も一緒に登校していいですか?」

「暁がいいって言うならいいよ。どうかな、暁。」

 作り笑いの二人に挟まれ、心の中でひぇぇっと叫びたくなる。

 作った笑顔ってこんな怖かったっけ……そう怯えながら、ちらっと春君の様子を伺う。

 すると、案の定『断れ!』と凄んでくる視線とぶつかり、早くこの状況から逃れたい一心で断ろうと決める……も。

 司君のほうを見れば笑顔で『いいよね?』と圧をかけられていて、半音しか声が出なかった。

「あ、あそこにいるのって壬生君じゃん! たまにしか見れないからラッキー!」

「ていうか、なんかもう一人イケメンいるんだけど!? やばっ、芸能人かな?」

「そういえば噂で編入生が来るって聞いた気が……もしかしてあいつか? イケメンすぎて俺たちの立つ瀬ないんだが?」

 そうこう悩んでいる内に、時間は経ってどんどん生徒が登校してくる。