「何怒ってんだよ。」
「……怒ってないよ。」
「いや、明らかに口数少ないだろ。まさか昨日の事、まだ腑に落ちてないのか。」
「……そういうわけじゃないけど。」
春君の言ってた事が正義とは、私は思えない。
思わずそう言おうとしたけど、そんな事口が裂けても言えない。春君はプライド高いからまた怒らせちゃうし……。
バレないように目を逸らしながら、傘をくるくる回して気を紛らわせる。
「――あれ、暁がこんなに早いなんて珍しいね。おはよう。」
でもささやかな抵抗も虚しく……ちょうど寮から出てきた司君と、しっかり鉢合わせしてしまった。
ニコニコ微笑んでいる外向けの笑顔で挨拶してきたけど、今の私はまともに反応できない。
……春君がいるから。
だからここでどうすればいいのか悩んで固まっていると、司君が鋭い視線を向けてきた。
「あ、昨日暁を強引に連れていった人じゃないですか。おはようございます。」
いかにも嫌味っぽい口調。それは全て春君へのもので、心臓がバクバクと焦りだす。
「……怒ってないよ。」
「いや、明らかに口数少ないだろ。まさか昨日の事、まだ腑に落ちてないのか。」
「……そういうわけじゃないけど。」
春君の言ってた事が正義とは、私は思えない。
思わずそう言おうとしたけど、そんな事口が裂けても言えない。春君はプライド高いからまた怒らせちゃうし……。
バレないように目を逸らしながら、傘をくるくる回して気を紛らわせる。
「――あれ、暁がこんなに早いなんて珍しいね。おはよう。」
でもささやかな抵抗も虚しく……ちょうど寮から出てきた司君と、しっかり鉢合わせしてしまった。
ニコニコ微笑んでいる外向けの笑顔で挨拶してきたけど、今の私はまともに反応できない。
……春君がいるから。
だからここでどうすればいいのか悩んで固まっていると、司君が鋭い視線を向けてきた。
「あ、昨日暁を強引に連れていった人じゃないですか。おはようございます。」
いかにも嫌味っぽい口調。それは全て春君へのもので、心臓がバクバクと焦りだす。

