ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

 その気持ちは私も分かっている。この仕事は命がけだ、憧れだけでは務まらない。

 ちゃんと、春くんの言うように仕事として割り切らなきゃいけない。

 沈んだ私の言葉に春くんは、それでも厳しい言葉を浴びせてくる。

「なら、あいつらとは必要最低限関わるな。何か起こった時だけ向かえばいいし、普段の監視は付きっきりじゃなくても暁なら余裕だろ。」

「……うん。」

「俺は暁の、ヴァンパイアに情が湧く理由が分からない。あんなのただの化け物だ、無害な奴なんていない。」

「っ……分かってるよ。」

 春くんの言う事は正しくて何も間違ってない、きっと私のほうがおかしいんだ。そもそも、私にハンターなんて向いてない。

 なのに、憧れと正義感だけでハンターになった自分が恨めしい。実績も作ってしまったから、簡単には業界から抜け出せないし。

 そう分かっているのに春くんに反論したくなるのは、監視対象たちに情を抱いてしまったからだろう。



 その翌日は朝から大雨が降っていて、激しい雨音で起こされた。

 雨は好きだしヴァンパイアの活動範囲も狭まるからいつもなら気分も上がるんだけど、今日は朝から憂鬱だ。