ヴァンパイアくんに愛されるのは危険すぎる!

「まぁ、危害を加えられたわけじゃないならいい。何にもされてないだろうな?」

『へぇ、そう。弥虎たちにもそんな甘い提案するんだ。』

『つ、司君? どうし――……』

 ……どうだろう。

 変な事ではないだろうけど……これを正直に言ったらこっぴどく怒られそう。

 いや、あれは……そう、ただのスキンシップだから! 危害とか隙とか、そういう話には入らないと思う……!

「さ、されてないよ!」

「嘘だな。」

「嘘じゃないよ! 本当に何にもされてないからっ!」

「それなら、何で顔赤くしてんだよ。」

 えっ、私、顔赤いの……!?

 春君に指摘され頬に手を当てると、確かに熱い。ほんのりとかじゃなく、ガッツリ。

 夜なのによく分かったな……なんて若干恐怖を抱いていると、春君は呆れたように月を見上げた。

「俺らはヴァンパイアハンターだ、ヴァンパイアに情は持つな。ただの監視だとしても敵だと思え。それが俺らの仕事なのは分かってるだろ。」

「……もちろん、分かってるよ。」

 春くんは誰よりもストイックだから、ハンターである事にこだわりがある。だから私みたいな半端なハンターは嫌なんだろう。