足りないよ、白山くん。



白山くんの部屋……

え、広すぎない……?


テキトーなとこに座っていいよと言われ、机の前に座って部屋を見渡してたけど。

いや、広すぎやしませんか……

ものがあんまり置いてないからなのか開放感がある。

ザ・男の子の部屋と言うよりは、シンプルで落ち着いた雰囲気で。

横にある棚を見てみると、教材がずっしり敷き詰められていた。


やっぱり家で沢山勉強してるのかも。


「じゃあ、早速やろっか」

「うん……て、え?」

「どうしたの?」


いやいや、え、白山くん真横で教えるの?!

さらっと私の横に座ってるけど……


「向かい合ってでやらないの?」

「それだと反対向きで見えないじゃん」

「あ、そっか…」

「ていうか、普段の学校の時と同じだよ?」

「確かに……」


あれ、なんで私、変に横にいることに意識しちゃったんだろう。

授業中の時と変わらないのに。

部屋だと教室より狭いから、距離が近すぎるって錯覚しちゃっただけかな。