足りないよ、白山くん。


「お茶どうぞ」

「ありがとう、鏡花ちゃん」


白山くんの妹、鏡花ちゃんが丁寧にお茶を出してくれた。

よし、机に勉強道具も揃えたし始めよう…!と思った矢先。


「にいちゃん〜俺ゲームしたい」

「皇成、今日は勉強しなきゃだから」

「わかってるけど…にいちゃんたちがここでするなら俺できないじゃん!」


弟の皇成くんが白山くんの腕を掴んでねだる。

私がいるから、気を使ってくれてるんだ……


自分よりも歳の離れた子にそんなこと言わせてしまったのは申し訳なくて


「皇成くん、やってていいよ。私気にしないから」


皇成くんの元に寄り添ってそう言った。


「ほんと!?」

「だーめ。二人に迷惑かかっちゃうでしょ。お兄ちゃん、水野さんと部屋で勉強したら?」


と、提案する鏡花ちゃん。