足りないよ、白山くん。

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放課後。

「ほ、ほんとに私なんかお家にお邪魔しちゃっていいの?」

「良いってさっきから言ってるよ?緊張しすぎ」


目の前には大きな一軒家。

それは私のお家とは比べ物にならないくらいの立派な家で。


両親が海外って言ってたからお金持ちなんだろうなって思ってたけど、ここまでとは……!


ガチャッ

白山くんが鍵を取り出して、ドアを開けてくれる。


すると勢いよく何かが飛び出してきた。


「にいちゃん!おかえり!!」


白山くんにぎゅうっと抱きつく小さな男の子。


「ただいま皇成」

「お兄ちゃん、その人が水野さん?」

「うん、そうだよ」


それに色白で綺麗な容姿の女の子。



お、お兄ちゃん…?


え…白山くんってお兄ちゃんだったの!?


あまりの衝撃に驚きを隠せない。