足りないよ、白山くん。



「ごめん雫。せっかく来てくれたのに」

「……白山くんっ!」

「…なに?」


「あ、あのね!白山くんは、私の悩みを聞いたり、癒したりして私のこと助けてくれてるけど……」


白山くんは自分のことあまり言いたくないのかもしれない。

けどいつも私ばっかりなんていうのは申し訳ないから……


「白山くんも困ったことがあったら私を頼っていいからね!」

「……!」


すると一瞬驚いた様子を見せたが、



ぎゅっ……


「わっ……!」


優しく、白山くんに包み込まれた。


「……やっぱり俺、雫のこと好き」

「……っ!そ、それは友達として…ね!?」

「うん。もっと好きになった」


甘えた感じで耳元で好きだなんて言うから、変に胸が熱くなる。



…いやっ!だから白山くんは友達…!これは友情!



「ま、でも今日は俺が雫を助けるんだけどね」

「あ……そうだった」


今日は白山くんに勉強を教えてもらう日だった。

自信満々に頼ってなんか言っておいて、結局自分が頼っちゃってるじゃん……


私、思ってた以上に白山くんに借りがあるのかも……