足りないよ、白山くん。


……ん?

仕事って?


「……ばれた」


ええと?


「ごめん。ちょっとやってくる」


寝てていいよと言って、白山くんはベッドから起き上がる。



……



パチッ


……!

藤井先生と目が合ってしまった。



む、無表情……

これ怒ってる、よね……


「……っす、すみません!今後は気をつけーー」

「白山くんから事情は聞いてるわ」



「へ?」


「抱き枕になってくれる子見つかったーとか何とか」


え、先生にその話したの?!白山くん?!


「えっと……それって先生の立場であるなら叱るべきことじゃないんですか?」

「まぁ、普通はね」


……普通ってことは、白山くんは特別なの?

明らかに信頼している生徒だとしても、それってよくないんじゃ……


「白山くんには体調不良以外での保健室の利用も許可しているのよ」

「え、いいんですか…?それ…」


な、なぜ……?!

そんな待遇があっていいの?!


「彼にも色々事情があるからね」

「えっ……」

「まぁその分、仕事はたんまりとやらせているけど」


事情…?

白山くんにも、私みたいに誰にも言えない悩みがあったりするのかな……

あんまり踏み込まない方が良さそうだけど……