足りないよ、白山くん。


し、雫………

あの日以降、事あるごとに名前で呼ばれるけど、まだ慣れない…


すると周りからキャーッ!という声が聞こえた。


「白山くんと水野さん…意外と相性良くない!?」

「分かる!水野さんはしっかりしてるから、ふんわりした白山くんと合うかも!」



遠くの方で他の女子がコソコソ何か言ってるけど、はっきり聞こえなかった。


「……いや!お前みたいな不真面目な奴、優等生な水野さんとなんか友達としてでも釣りあわねぇから!」

声を荒げて白山くんに向かって言う。


そんな夏木くんとは対照に、


「別に釣り合い?とか…どーでもいいよぉ……ふぁ」


自分のペースを崩さない白山くん。

あくびしてるし…面倒くさいって思ってるよ…これ。


すると白山くんはゆっくりと椅子から立ち上がる。


「おい白山、まだ話は終わってー」
「俺眠いから」


そう言って夏木くんの言葉を遮る。


ボソッ

「昼、今日も保健室来てね」


と、私の耳元でこっそり伝えて、保健室に行ってしまった。