足りないよ、白山くん。



うちの両親はどっちも海外にいるから、こうして三人で協力して暮らしている。

でも皇成は小学生で、鏡花は中学生。できないことはまだまだ多い。


それで俺は白山家の長男だからと、二人の面倒を任されていた。



「にいちゃん、一緒にゲームしよ!」と皇成に言われてゲームやサッカーしたり。

「お兄ちゃん、ここ教えろください」と鏡花の宿題を見たり。


学校よりも家での時間のほうが大事だから、こっちに労力をかけている。



それに家と学校、両方を器用に頑張るのは面倒だったから、勉強は夜中にすることにした。

親は他と比べて多少多く稼いでいるみたいだけど、二人には好きな高校や大学に行って欲しい。

で、俺は深夜に猛勉強して、授業料のあまりかからない国公立大学に行くと決めている。



ま、お陰様で今となっては昼夜逆転生活、授業態度は最悪ですけど。

でもそんな生活も悪く無いなと思っていた。