足りないよ、白山くん。



てか水野さん、隙ありすぎでしょ。


簡単に頬にキスされてるし、俺の言うことは素直に聞いちゃってるし。

……服は脱ぐし。


俺が傷のことをバラすって言ったからなんだろうけど。

もうちょっと自分のことを大事にして欲しい……


ま、からかい甲斐があって面白いんだけどね。


「お兄ちゃん〜お腹すいた……って何にやけてんの?」

「は…っ、にやけてねぇよ」


妹の鏡花(きょうか)が、ご飯を作れと話しかけてきた。

せっかくこれから水野さんのことをどうするかを考えていたのに。


「好きな子でもできたの?」

「アホか」


そんなことお兄ちゃんに聞くんじゃありません、と釘を刺す。

そもそも恋愛感情とかよく分からないし。


「にいちゃん、俺もおなかすいたー!」


と、弟の皇成(こうせい)までやってきた。


「はいはい、みんなで用意するよ。二人は箸とかコップ出して」

「「はーい!」」