足りないよ、白山くん。


「………」


いつも起こしてくれたら最小限起き上がるけど、頭が痛くてできなかった。

俺は無言を貫く。


すると何かに気付いたのか急に、


「先生、白山くん体調悪いみたいです」


…え


「そうなのか?白山」


そう言われても、うまく反応することができないでいたが、


「白山くん、頭痛い?」


伏せている俺を覗くようにして確認してくれたから、少し顔をあげて頷いた。


………!

その瞬間、偶然にも水野さんの首筋に傷があることに気づいた。

でもその時は本当に体調が悪くて、そんなこと気にしていられなかった。


「白山、気分悪いなら保健室行ってこい。ったく普段から寝てると分かりずらいわ」

「…はい」

「白山くん、一人で行ける?」

「大丈夫」


そうして俺は教室を出て保健室に行った。