足りないよ、白山くん。


「え、白山くん?どうしたの?」


全然さっきぶりだけど……


「教科書無くて。見せてくれない?」


……ん?

んん?

えと、白山くんって授業はいつも寝てるよね?

それなのに教科書っている?

あ、枕にするとか?


「な、なんで?」

「授業受けたいから。雫と」



……え?



今なんて言った?



授業、“受けたい“?


それにさりげなく私の名前……言ったよね。


「ほら、机くっつけて」

「え、あ…うん」


急に授業を受けようとする白山くんに動揺を隠せない。

ど、どうしたの?!白山くん!



「お、珍しいなー、白山が起きてるなんて。明日は雪でも降るか〜」



先生が白山くんのことに気づくと、他の生徒たちも一斉にこちらを向いてきた。



「おい…水野さんの机にくっつけてるぞあいつ」

「二人ってそんなに仲良かったっけ?」


し、白山くんこれ、みんなに悪目立ちするだけなんですが……!



「ーーこれからは授業が楽しみかも」


そう言ってにやっと微笑む白山くんはやっぱり私のことを見ていた。