足りないよ、白山くん。


「押し倒してごめん」

「ううん、大丈夫。そ、それより服着るね…」


そう言うと気を使って後ろを向いてくれた。




「……水野さん」

「なに?」


起き上がってはだけた服を直していたところ、白山くんが恐る恐る尋ねてきた。


「もし気分を悪くしたらあれなんだけど…」

「…?」


「この間の模試の一位、俺」


え、


え。


ええーー!?

白山くんが一位!?


この間の模試、結構難しかった気が……

白山くんってもしかして……いや絶対に頭良い人だ。



「ごめん。俺のせいで水野さん、お母さんに怒られたよね」

「いや…白山くんのせいとかじゃないよ。ミスとかした私が悪いし。上には上がいる訳だから…」


そう、いつもお母さんに言われている言葉。


『ーー上には上がいるのよ。現状に満足しないの』


脳にこれでもかと言うほど焼きついている。