足りないよ、白山くん。



「……っ」


優しく、そっと白山くんの唇が触れた場所は、熱を帯びて。

ふんわりとする香りが鼻をくすぐって。


ーーまるで傷跡が浄化されていくようだった。





「また傷増やしたら、同じことするから」


「えっ」


「だからもう、これからは傷付けたらだめだから。ね?」


微笑みながら私の頭を撫でる。


「うん……」


「あと、困ったときは頼って」

「うん」


一つ一つ確認するように、話す。


……なんだろう、白山くんは何か不思議な力を持っているような気がする。

昨日、保健室で寝てた時もこうやって触れられた時も……

心が軽くなってほっとする。


急によく分からないことをしてきたり、たまにからかってくるけど、

それが逆に嫌なことを忘れられるし、場が和む。


白山くんって本当に人を癒す才能があるのかもしれない。