足りないよ、白山くん。




そんな風に言われた瞬間、心の奥に蓋していたものがどっと溢れてきた。


ぽろっと、涙が頬を伝う。


「……!
ごめん。いやなら全然……」

突然泣き出した私を前に慌て出す白山くん。


「ううん…いやとかじゃなくて。ただ……なんていうか、力が抜けただけ」


今まで我慢していた部分が解放された感覚があった。

それで一気に脱力して、勝手に涙が出てしまったのだ。


……言おう、白山くんに。


傷のことも、お母さんのことも、勉強のことも。


ぜんぶ、ぜんぶ…


きっと受け止めてくれるだろうという確信があった。

どうしてかはわからない。

でも、傷のことを知ってるのは白山くんだけだし、そこまで親しくない人の方が話しやすいと思った。

はるちゃんみたいにすごく中のいい友達に話して、心配かけたくないし。


私は決心して、白山くんに全てを話すことにした。