足りないよ、白山くん。



「雫〜ご飯食べよっ!」

「ごめんはるちゃん、私先生に質問したい事があって…先食べてて!」



と言ったけど……先生に質問したいのは嘘。

本当は白山くんに呼ばれてるから…だけどそんな事言えない。

だって私の傷のこともバレちゃうかもしれないから。



「おっけー!ってあれ、雫そんなシュシュ手首につけてたっけ?」


ギクッ……


「あ、えと…この前買って、可愛いからつけてみ…た?おかしくない?」

「全然!雫あんまりそういうのしなさそうだから、意外だなって思っただけ!ちゃんと似合ってるよ!」

「あ、ありがとう」


ああ…さらに嘘をついてしまった。



せっかく似合ってるって言ってくれたけど、このシュシュは家にあったものを適当につけただけ。

おしゃれ目的とかではなく、ただ誤魔化すのに最適だから。


「そろそろ行くね!」

「うん、いってらー!」


私は急いで保健室の方へと向かった。