足りないよ、白山くん。


……私、何か白山くんにしたっけ?


まじまじとこちらに送られる視線は不機嫌そのもの。

まともに授業に集中出来ないよ……



何で怒ってるの……

というかなんで起きてるの……


ちらっ……



トントン……


……?



もう一度白山くんの方を見てみると、彼は自身のスマホを指さしていた。



……スマホ?


よく分からないけれど、自分のスマホを確認してみる。



『お昼、保健室来て』


え、白山くん?

勝手にラインの友達に追加したのかな。


……って、メッセージ送られてるの朝の9時だ!


もしかして、今まで私が既読つけなかったことに怒ってる?

うわぁ、もっと早く気づけばよかった……



『気づくの遅くてごめん。わかった、お昼行くね』


そう送ると、既読と同時に『大丈夫』と猫のスタンプが。



可愛い…猫好きなのかな?

使っているスタンプを見てほっこりしてしまった。


けど、やりとりは終わったものの白山くんからの視線は絶えず送られていた。