足りないよ、白山くん。



次の日。



ざわざわ……

「嘘だろ、いつも寝てるあいつが……」

「いやでも、窓見てるだけでなんも聞いてないぞあれ」


「起きてるのめっちゃレアじゃん!」

「ぼーっと外眺めてるのも絵になる〜!」



授業中、クラスの人たちが小声で騒いでいた。


というのも、白山くんが起きているからだ。


今まで彼はどの授業も寝ていたのに、今日は一限からずっと起きている。

しかも、どういう訳か窓の方を見て、いや……



ちらっ……


……パチッ


「……!!」


私を見つめ続けている。



私は白山くんと隣の席だけど、丁度彼から見て窓側の方。


みんなからしたら、彼はぼーっと窓を見つめているようにしか見えないのだけど、実はさっきからすごく視線を感じていた。