足りないよ、白山くん。


傷つけた部分がヒリヒリして痛かったが、何事もなくベッドに入る。


明日から、白山くんの抱き枕か……


具体的に何するんだろう…

何されるんだろう…?

白山くん、どうして私に……



……



そんなことを考えているうちにいつのまにか寝落ちていた。



お母さんに何か言われた日は全く寝付けないのに、不思議とぐっすり眠れた。



それに、夢を見た。


いつもは悪夢ばかりなのに、珍しく安心する夢だった。



誰かに優しく抱きしめられていて

『大丈夫、大丈夫…』

と、頭を撫でながら私を安心させてくれて。


私に温かい表情を向けてくれる。


誰かわかんない人にこんなことされるなんて普通だったら怖いのに、何故かまったくそんなことなくて。

むしろずっとこうしていてほしい、離れたくない、そばにいて欲しい。


そんなことを夢の中の私は思っていた。