足りないよ、白山くん。


あれから下校し現在、自宅の真ん前。

私は家の扉を開けるのを躊躇っていた。


『夜、結果について話があるわ』



お昼にお母さんから来たライン。



………


……大丈夫、こんなのいつものことだし。


どうせ前と同じようなことを言われるだけ。

聞き流しとけばいい。

うん、それでいい。



そうやって自分を納得させる。


「……よし」


ようやく扉を開けた。






「ただいま……」


部屋にいるであろうお母さんに、聞こえる大きさで言う。


「おかえり。雫」


お母さんはいつものように冷たい声色で返事をする。

でも、顔色は普段と変わらない。



「えっと、お母さーー」
「荷物、2階に置いてすぐに降りてきてちょうだい。話をしましょ」



「……わかった」



あぁ。



また、



ーー悪夢の始まりか。