足りないよ、白山くん。


「なな、何変なこと言ってるのっ!絶対寝ぼけてるよね?」



だ、抱き枕なんて、意味わかんない......


この状況が1番わかんないけども!



「寝ぼけてなんかないよ、はっきり意識あるし。ほら」



ふーっと柔らかい息が耳元にかかる。



「ひぁっ......!」



ぞわっとした感覚が全身に広がるのに驚いて、体を不意に動かしてしまった。



「水野さんをからかえるくらいには、ちゃんと起きてるよ?」



不敵な笑みを浮かべてそう言う白山くん。


意外と意地悪なタイプだ......っじゃなくて!



「白山くん!...離してくれないかな?」



このまま彼に流されてはいけないと思って、強めに言ってみる。