足りないよ、白山くん。


「珍しいね、水野さんが休むなんて」


「そ、そうかな?ちょっと頭が痛くて……ね」



白山くんでも私に対してそういうイメージを持ってるんだ。

……なんか意外かも。


あんまり他の人に興味を示す感じはないから、てっきり私への印象も無いものかと。



「ちゃんとご飯食べてる?」


「食べてますっ」


「早寝早起きしてる?」


「毎日ちゃんとっ!」



……あれ私、こんなに話すの下手だったっけ?


真面目に質問に答えていたら、「ふふっ……」と白山くんに笑われた。



「ごめんごめん。答え方が一生懸命すぎて笑っちゃった」


「……っ!」



ふにゃっと笑う白山くんの表情に、不覚にもドキッとしてしまった。


クラスでは寝ているか無表情でいることが多い。

だから何を考えているかよく分からないなぁ、と思っていたけど……


こんな風に柔らかく笑うなんて。