足りないよ、白山くん。


「な、何で白山くんがいるの?!」


「なんでって…俺、昼から保健室行ってたよね」



いや、そうだけども…!

お昼からずっと、ここで過ごしてたの?!


流石に授業サボりすぎでは……



焦っている私を前に、白山くんは大きなあくびをしている。

……もしかしなくても、勝手にベッドで寝てた?

それって大丈夫なのかな……



「そういう水野さんはどうしたの?」

「えっ」


「体調、悪いの?」


「ああ、まぁ…そんな感じ……?」



なんか……ふわふわするな。


体調が悪いからじゃなくて、なんだろう…

白山くんがふわっと柔らかい感じで話すから、そのペースに持ってかれそうになる。



「先生なら、今日は出張だよ」


「...なんで知ってるの?」


「俺、これでも保健委員だから。

…そうだ、問診してあげるよ。一応委員の仕事だし」



えちょ、ちょっと待って……

今この一瞬で、沢山の情報が入ってきたんですが?


えっと、先生は出張で、白山くんは保健委員で……



「はい、そこ座って」



今この状況を完全に把握出来ていないけれど、
そう言われたので素直に診てもらうことに。