足りないよ、白山くん。


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「雫〜着替えに行こっ」



六限の体育前、はるちゃんがいつものように誘ってくれる。


もちろん今日も体育の授業を受ける気満々だったけど……



ズキッズキッ…


昼休みからずっと頭痛は続いている。

いつもなら数時間経てば治まってるのに。



「ごめん、はるちゃん。ちょっと頭痛くて……」


「えっ、大丈夫?保健室行った方がいいんじゃない?」


「うん、そうしようと思う…先生に伝えておいてくれないかな?」


「それはもちろん良いけど、一人で行けそう…?」



心配そうな表情で、私を気にしてくれる。


本当にはるちゃんは優しい。

それこそ私よりも女神すぎる程に。


でもそこまで迷惑をかけるわけにはいかないし、
フラフラして歩けないってわけでもないから。



「大丈夫。ちょっと頭痛いだけだから行けるよ」


「そっか…あんま無理しちゃ駄目だよ。お大事にね!」


「うん、ありがとう」



そう言って保健室に向かった。