足りないよ、白山くん。


……二位じゃ駄目。


この結果で話があるっていうことは、褒められるんじゃないかって思う人もいるかもしれない。


でも私のお母さんは違う。


……これじゃあ許してくれないんだ。



今まで定期テストで99点をとったときに、なんで100点じゃないの?って怒られたことがある。

だから今回も、どうして一位じゃないのかって言われるに決まってる…



なんで…どうしてなの…


目に涙が溜まりそうになるのをぐっと堪える。



「雫〜ご飯食べよ!って…どうした?」



ちらっとはるちゃんは私のスマホを覗いた。



「えっ、雫すごいじゃん!二位とか!でもなんでそんなに悲しそうなの?」


「あっいや、これは嬉し涙…?」



バレないように必死で誤魔化した。


はるちゃんや学校の人には家の事情は言いたくない。

だって、心配かけたくないから。