足りないよ、白山くん。


「白山ー、起きろーー!」



社会の授業中、静かな教室に先生の声が響き渡る。

今の時刻は9時30分。

一限の真っ只中だ。



こんな朝から寝ているなんて不真面目な人だなぁ…
なんてことは考え飽きてしまった。

だって、彼が寝ているのは日常茶飯事だから。



「水野ー、悪いが起こしてくれないか?」



隣の席である私は、いつも彼を起こす担当。

今日も毎度のごとく、白山くんに起きるように呼びかける。



「白山くん、起きて」



とんとんっ、と彼の肩を優しく叩く。


すると、「ん~…」という声が聞こえて、
ゆっくりと起き上がった。


彼の顔を見てみると全く目が開いておらず、すごく眠そうである。


起こしちゃ悪かったかな……?