B4サイズに魔法をつめて

入院生活が終わり、引き続き通院しつつ、傷を治すことに専念しなくちゃいけない。



残り少ない一学期。

スマートフォンに美菜と千穂からの連絡はなくて。

嫌われたことを実感する。

登校する気持ちも削がれて。

私はずっと家に居た。



一学期が終わり、夏休みになって。

暑い、暑いと言っていたらすぐに夏も終わって。

事故から半年くらい経った、秋も深まった頃に。

ようやく絵を描ける段階にまで回復した。



今日もノートに向かい、シャープペンシルを走らせる。



「また描いてんの?」
と、お姉ちゃんが私のノートを覗きこむ。



「ちょっとぉ、勝手に見ないでよ」

「減るもんじゃないし、良いじゃん。……ってか、あんた、まだ右手動かしにくいの?」

「……」



お姉ちゃんの言いたいことはわかった。

認めたくないけれど、認めざるを得ない。



(……今の私の絵、誰が見ても下手に思えるんだ)



「まだあんまり本調子じゃないなら、無理しないほうがいいよ」



そう言って、お姉ちゃんは台所に立った。