B4サイズに魔法をつめて

小鳥 ねねこの漫画は、二ヶ月後に掲載されると誌面で発表されていた。



少なからず、ショックだった。

次にデビューを果たすのは、絶対に自分だと信じていたから。



小鳥 ねねこのイラストカットを見る。

やっぱり絵は粗い気がした。

でも、確実に上達しているとわかる。

ストーリーのあらすじも、面白そうで気になってしまった。






最近、漫画を描くことから遠ざかっている。

理由はふたつ。

明石 秀人への気持ちを漫画にしたから、自分の漫画とはいえ、向き合うとつらくなること。

小鳥 ねねこの漫画家デビューで、やる気が削がれたこと。



何もする気が起こらず、ボーッと日々を過ごしている。






二月も下旬が近づく、水曜日。

市立A中学校、二年四組の教室で。

朝のホームルームの前に、冴島くんが真昼の席を眺めてこう言った。



「大谷さん、今日も来ないんだね」

「うん。しばらく休むって言ってたから……」