次に目を開けると、そこはヒビ割れた暗闇の世界だった。
「どこ…ここ…」
その声も、闇の中に消えていく。
真っ暗な中にわずかに光って見える自分の体が、不思議に見えて仕方がなかった。
少し歩いてみることにする。
どこを歩いてるのかもわからない。
それより、ここってどこなんだろう?
そんなことを考えていると、ふと彩鈴ちゃんの声がどこからか聞こえた。
『夢乃ちゃん、聞こえる?』
「えっ!?彩鈴ちゃん!?」
どこを見ても、彩鈴ちゃんの姿は見えない。
ただ、声が聞こえるだけ。
「ど、どこにいるの…?」
『ごめんね、夢乃ちゃん。私は今そっちに行けないの。重要なことだけ話すから、聞いてくれないかな?』
彩鈴ちゃんの声は真剣だった。
よく状況が飲めないけど、ここは彩鈴ちゃんに従った方がよさそう。
私は一度ゴクリと喉を鳴らして、答えた。
「うん。わかった」
『ありがとう。今、私は自分の能力を覚醒させて、華恋ちゃんの精神世界に入ってるの。夢乃ちゃんも巻き込んでね。私は自分の能力を維持するので限界だから、夢乃ちゃんに助けてほしいの。華恋ちゃんの心を探して。じゃないと、華恋ちゃんは消えちゃう。真白くんも呼んだから、一緒にお願いしたいな。ごめんね、これ以上は喋っていられない。じゃあ、お願い』
そう言い残して、彩鈴ちゃんはどこかにいってしまったようだ。
それより、真白くんも来てるんだ。
それなら大丈夫かもしれない。
私の不安が少し消え、真白くんと合流するために再び歩き出した。
すると、前から明るい何かが近寄ってきた。
人形に見えたので真白くんだと思い、私はその人に駆け寄った。
「真白くん!」
振り返った人物はやっぱり真白くんで、ホッとした。
真白くんも私に気がついて、駆け寄ってきてくれた。
「恋星か。ここは、どこなんだ?」
そっか、彩鈴ちゃんに言われたのは私だけなんだ。
私はそう理解して、真白くんに彩鈴ちゃんから聞いた情報を話し出した。
「えっと、ここは華恋ちゃんの心の中みたい。彩鈴ちゃんが能力を使って、華恋ちゃんの暴走を止めてるみたいなんだ。それで、華恋ちゃんの心を見つけてほしいって言われたの」
「…なるほどな。状況は理解した。だけど、その心ってのはどこにあるんだ?それは聞いたか?」
私は首を横にふった。
だって、彩鈴ちゃんは『心を探して』としか言ってなかったから。
「そうだな…。闇雲に歩いても仕方ない。なにか手がかりがないか——」
そう真白くんが話している時、ガコンッと音を立てて床が割れた。
まるでそこに、落とし穴が仕掛けられていたみたいに。
「きゃー!!!」
私たちはただ落ちていくしかなかった。
「恋星、落ち着け!大丈夫だ」
そう言っている間にも、私たちは真下に勢いよく落ちていく。
このまま落下して地面になんてついたら、私たちは間違いなく死んでしまう。
それが怖くて、私はギュッと目をつぶった。
どのくらいその状態を続けていただろう。
いつの間にか浮遊感はなくなり、ふわりと地面に落ちたような感覚があった。
私はゆっくりと目を開けた。
「え…?」
私は思わず声を出してしまった。
異様という言葉だけで片付けられないほど、その光景はおかしかった。
真白くんも同じように感じているみたいで、目の前の光景を凝視していた。
右側には紫色の髪をもつ、そっくりな少女ふたり。
左側にはずいぶんと老いて見える男が座っていた。
そして真っ白な部屋の真ん中にポツンと置かれた水晶が、一瞬光ったような気がした。
「これより、アイリス家の伝統である魔力確認を行う。レンカ・アイリス、前へ」
男の人が威厳のある声でそう言うと、奥に座っていた少女が立ち上がり水晶に近づいた。
レンカって名前、聞いたことある。
華恋ちゃんが言っていた“レンカお姉様”って、この子のことなんじゃない?
だとすれば、手前に座っているあの子は華恋ちゃん?
華恋ちゃんだと予測した少女を見たが、私には到底その子が華恋ちゃんには見えなかった。
容姿が明らかに違いすぎる。
そんなことを考えている中、ことは進んでいく。
「我が身に宿るアイリスの血よ、今こそ目覚めよ。我がレンカ・アイリスの魔の力を示せ」
レンカちゃんの言葉に反応するかのように、水晶が強く輝いた。
その光が遅まると同時に、男の人が駆け寄る。
「おお!良いぞ、レンカ。お前は将来、偉大な魔法使いになるだろう」
魔法…使い?
ここにはそんな存在がいるのか。
そして次に、レンカちゃんが口を開いた。
「お父様、光栄ですわ。次はカレンの番です。位置に戻りますわ」
礼儀正しくそう言って、元の場所に戻っていった。
次にカレンちゃんが立ち上がって、水晶の前まで歩いていった。
そして、同じようにあの呪文を唱えた。
「我が身に宿るアイリスの血よ今こそ目覚めよ。我がカレン・アイリスの魔の力を示せ」
だけど、なにも起こらなかった。
部屋がシンと静まり返り、私はチラッとお父さんと思われる男の人を見た。
カレンちゃんたちのお父さんは、驚くほどに冷たい目を向けていた。
「お前には失望した」
その言葉が重くのしかかった。
そして、カレンちゃんは涙を流した。
それを見た途端、私たちはまた闇の中へ落ちていった。
「どこ…ここ…」
その声も、闇の中に消えていく。
真っ暗な中にわずかに光って見える自分の体が、不思議に見えて仕方がなかった。
少し歩いてみることにする。
どこを歩いてるのかもわからない。
それより、ここってどこなんだろう?
そんなことを考えていると、ふと彩鈴ちゃんの声がどこからか聞こえた。
『夢乃ちゃん、聞こえる?』
「えっ!?彩鈴ちゃん!?」
どこを見ても、彩鈴ちゃんの姿は見えない。
ただ、声が聞こえるだけ。
「ど、どこにいるの…?」
『ごめんね、夢乃ちゃん。私は今そっちに行けないの。重要なことだけ話すから、聞いてくれないかな?』
彩鈴ちゃんの声は真剣だった。
よく状況が飲めないけど、ここは彩鈴ちゃんに従った方がよさそう。
私は一度ゴクリと喉を鳴らして、答えた。
「うん。わかった」
『ありがとう。今、私は自分の能力を覚醒させて、華恋ちゃんの精神世界に入ってるの。夢乃ちゃんも巻き込んでね。私は自分の能力を維持するので限界だから、夢乃ちゃんに助けてほしいの。華恋ちゃんの心を探して。じゃないと、華恋ちゃんは消えちゃう。真白くんも呼んだから、一緒にお願いしたいな。ごめんね、これ以上は喋っていられない。じゃあ、お願い』
そう言い残して、彩鈴ちゃんはどこかにいってしまったようだ。
それより、真白くんも来てるんだ。
それなら大丈夫かもしれない。
私の不安が少し消え、真白くんと合流するために再び歩き出した。
すると、前から明るい何かが近寄ってきた。
人形に見えたので真白くんだと思い、私はその人に駆け寄った。
「真白くん!」
振り返った人物はやっぱり真白くんで、ホッとした。
真白くんも私に気がついて、駆け寄ってきてくれた。
「恋星か。ここは、どこなんだ?」
そっか、彩鈴ちゃんに言われたのは私だけなんだ。
私はそう理解して、真白くんに彩鈴ちゃんから聞いた情報を話し出した。
「えっと、ここは華恋ちゃんの心の中みたい。彩鈴ちゃんが能力を使って、華恋ちゃんの暴走を止めてるみたいなんだ。それで、華恋ちゃんの心を見つけてほしいって言われたの」
「…なるほどな。状況は理解した。だけど、その心ってのはどこにあるんだ?それは聞いたか?」
私は首を横にふった。
だって、彩鈴ちゃんは『心を探して』としか言ってなかったから。
「そうだな…。闇雲に歩いても仕方ない。なにか手がかりがないか——」
そう真白くんが話している時、ガコンッと音を立てて床が割れた。
まるでそこに、落とし穴が仕掛けられていたみたいに。
「きゃー!!!」
私たちはただ落ちていくしかなかった。
「恋星、落ち着け!大丈夫だ」
そう言っている間にも、私たちは真下に勢いよく落ちていく。
このまま落下して地面になんてついたら、私たちは間違いなく死んでしまう。
それが怖くて、私はギュッと目をつぶった。
どのくらいその状態を続けていただろう。
いつの間にか浮遊感はなくなり、ふわりと地面に落ちたような感覚があった。
私はゆっくりと目を開けた。
「え…?」
私は思わず声を出してしまった。
異様という言葉だけで片付けられないほど、その光景はおかしかった。
真白くんも同じように感じているみたいで、目の前の光景を凝視していた。
右側には紫色の髪をもつ、そっくりな少女ふたり。
左側にはずいぶんと老いて見える男が座っていた。
そして真っ白な部屋の真ん中にポツンと置かれた水晶が、一瞬光ったような気がした。
「これより、アイリス家の伝統である魔力確認を行う。レンカ・アイリス、前へ」
男の人が威厳のある声でそう言うと、奥に座っていた少女が立ち上がり水晶に近づいた。
レンカって名前、聞いたことある。
華恋ちゃんが言っていた“レンカお姉様”って、この子のことなんじゃない?
だとすれば、手前に座っているあの子は華恋ちゃん?
華恋ちゃんだと予測した少女を見たが、私には到底その子が華恋ちゃんには見えなかった。
容姿が明らかに違いすぎる。
そんなことを考えている中、ことは進んでいく。
「我が身に宿るアイリスの血よ、今こそ目覚めよ。我がレンカ・アイリスの魔の力を示せ」
レンカちゃんの言葉に反応するかのように、水晶が強く輝いた。
その光が遅まると同時に、男の人が駆け寄る。
「おお!良いぞ、レンカ。お前は将来、偉大な魔法使いになるだろう」
魔法…使い?
ここにはそんな存在がいるのか。
そして次に、レンカちゃんが口を開いた。
「お父様、光栄ですわ。次はカレンの番です。位置に戻りますわ」
礼儀正しくそう言って、元の場所に戻っていった。
次にカレンちゃんが立ち上がって、水晶の前まで歩いていった。
そして、同じようにあの呪文を唱えた。
「我が身に宿るアイリスの血よ今こそ目覚めよ。我がカレン・アイリスの魔の力を示せ」
だけど、なにも起こらなかった。
部屋がシンと静まり返り、私はチラッとお父さんと思われる男の人を見た。
カレンちゃんたちのお父さんは、驚くほどに冷たい目を向けていた。
「お前には失望した」
その言葉が重くのしかかった。
そして、カレンちゃんは涙を流した。
それを見た途端、私たちはまた闇の中へ落ちていった。



