次の日の朝、私は学校に1番早くきた。
理由は、もちろん華恋ちゃん。
華恋ちゃんは普通寮のままで、特別寮じゃないから学校以外ではなかなか会えない。
だから、ふたりきりになったりするのは難しいんだけど、華恋ちゃんは朝ー番に来てなにかをしてるって言われてる。
朝早く来る生徒はほとんどいないはずだから、ふたりで話ができるかもって。
呼び出すのでもよかったんだけど、それだと今の状況的に真白くんのことだと察して来てくれないと思う。
だから、界李くんを見習って強引に動かないと!
階段を駆け上がって教室に着いた私は、席に座っている人に声をかけた。
「華恋ちゃん!」
その人…華恋ちゃんは勢いよく私の方を向いた。
そして、驚いたように目を見開く。
「夢乃…?今日は早いのね」
そう言っていつものように笑う。
私は華恋ちゃんに近寄って、ギュッと手を握った。
「ど、どうしたの?」
「あのね華恋ちゃん!今日の放課後時間をとってほしいの!!体育館横の裏庭に来て!」
華恋ちゃんは驚きながらも、頷いてくれた。
私はホッとする。
「ありがとう!じゃあ、よろしくね」
「…ええ」
そう言ってから、華恋ちゃんは窓の方に視線を戻した。
なにか特別なものがあるわけでもない。
なにをするわけでもない。
なら、どうして華恋ちゃんの姿がこんなに悲しく見えるんだろう。
今にも消えてしまうそうだ。
声をかけようか迷った時、突然華恋ちゃんが口を開いた。
「夢乃、私は真白を見ていると苦しいわ。だから関わりたくないの」
「えっと…その…ごめん」
私の押し付けでこんなことしてごめん。
そう言ったつもりだった。
そして、華恋ちゃんはそのことに気がついたように言う。
「謝ってほしいというわけではないの。でも、ただ知ってほしかっただけなのよ」
華恋ちゃんはふわっと笑った。
その笑顔は儚かった。
「私は過去から抜け出すことができないの。どうしてもね。だから、真白を見ると最低な自分を思い出してしまう。でも……向き合わなきゃいけないのよね」
華恋ちゃんは誰にでも優しくて、誰にでも笑顔で接してくれる。
そして、うちになにか大きなものを秘めている。
それがきっと過去に関係してるんだろう。
辛い過去なのかもしれない。
でも、向き合おうとしてるんだ。
「私はね、決めたのよ。全部すっきりさせるって。だから、逃げないわ。夢乃も、一緒に聞いていてくれる?」
全てをわかった上でそう聞いてるんだ。
華恋ちゃんの手、震えてる。
私はそっと華恋ちゃんの手を握った。
「もちろん。華恋ちゃんのこともっと知りたいから、いいよ!あ、そうだ。私のことも教えてあげるね」
華恋ちゃんは首を傾げた。
「あのね、私には今会ってない幼馴染がいるんだー。記憶はあんまりないんだけどね。でも、最後に会った日にひどいこと言っちゃった。今でもすごく後悔してる」
華恋ちゃんのように優しかった幼馴染の男の子。
そんなあの子が海外に行くんだと言われて、私は泣き腫らしてしまった。
ただ、行ってほしくなかっただけ。
それなのにひどいことを言ってしまった。
『——くんひどいよ!!夢乃のこと置いてくの?もう——くんなんて大嫌い!!戻ってこなくていいもん!!』
その頃、両親は私に関心がなかった。
私といてくれたのはその子だけだったから。
寂しかった。
それであんなこと言うのは、よくなかったと思うけど。
「たぶん、もうそのことは会えないんだ。海外に行って、帰ってくる予定がないって言ってたから。もう謝ることもできないね。でも、華恋ちゃんは近くにいる。華恋ちゃんは真白くんといると苦しそうにするけど、嬉しそうにもするよね」
私の言葉に、華恋ちゃんは驚いていた。
それから、ふっと笑った。
「そうね。私は…真白と仲良くしたい。本心よ。夢乃はそれに気がついていたのね」
うん、気がついてたよ。
口には出さなかったけど、最初から気がついていた。
華恋ちゃんが真白くんと会った時、泣きそうなくらい嬉しいって顔してたってことも。
理由は、もちろん華恋ちゃん。
華恋ちゃんは普通寮のままで、特別寮じゃないから学校以外ではなかなか会えない。
だから、ふたりきりになったりするのは難しいんだけど、華恋ちゃんは朝ー番に来てなにかをしてるって言われてる。
朝早く来る生徒はほとんどいないはずだから、ふたりで話ができるかもって。
呼び出すのでもよかったんだけど、それだと今の状況的に真白くんのことだと察して来てくれないと思う。
だから、界李くんを見習って強引に動かないと!
階段を駆け上がって教室に着いた私は、席に座っている人に声をかけた。
「華恋ちゃん!」
その人…華恋ちゃんは勢いよく私の方を向いた。
そして、驚いたように目を見開く。
「夢乃…?今日は早いのね」
そう言っていつものように笑う。
私は華恋ちゃんに近寄って、ギュッと手を握った。
「ど、どうしたの?」
「あのね華恋ちゃん!今日の放課後時間をとってほしいの!!体育館横の裏庭に来て!」
華恋ちゃんは驚きながらも、頷いてくれた。
私はホッとする。
「ありがとう!じゃあ、よろしくね」
「…ええ」
そう言ってから、華恋ちゃんは窓の方に視線を戻した。
なにか特別なものがあるわけでもない。
なにをするわけでもない。
なら、どうして華恋ちゃんの姿がこんなに悲しく見えるんだろう。
今にも消えてしまうそうだ。
声をかけようか迷った時、突然華恋ちゃんが口を開いた。
「夢乃、私は真白を見ていると苦しいわ。だから関わりたくないの」
「えっと…その…ごめん」
私の押し付けでこんなことしてごめん。
そう言ったつもりだった。
そして、華恋ちゃんはそのことに気がついたように言う。
「謝ってほしいというわけではないの。でも、ただ知ってほしかっただけなのよ」
華恋ちゃんはふわっと笑った。
その笑顔は儚かった。
「私は過去から抜け出すことができないの。どうしてもね。だから、真白を見ると最低な自分を思い出してしまう。でも……向き合わなきゃいけないのよね」
華恋ちゃんは誰にでも優しくて、誰にでも笑顔で接してくれる。
そして、うちになにか大きなものを秘めている。
それがきっと過去に関係してるんだろう。
辛い過去なのかもしれない。
でも、向き合おうとしてるんだ。
「私はね、決めたのよ。全部すっきりさせるって。だから、逃げないわ。夢乃も、一緒に聞いていてくれる?」
全てをわかった上でそう聞いてるんだ。
華恋ちゃんの手、震えてる。
私はそっと華恋ちゃんの手を握った。
「もちろん。華恋ちゃんのこともっと知りたいから、いいよ!あ、そうだ。私のことも教えてあげるね」
華恋ちゃんは首を傾げた。
「あのね、私には今会ってない幼馴染がいるんだー。記憶はあんまりないんだけどね。でも、最後に会った日にひどいこと言っちゃった。今でもすごく後悔してる」
華恋ちゃんのように優しかった幼馴染の男の子。
そんなあの子が海外に行くんだと言われて、私は泣き腫らしてしまった。
ただ、行ってほしくなかっただけ。
それなのにひどいことを言ってしまった。
『——くんひどいよ!!夢乃のこと置いてくの?もう——くんなんて大嫌い!!戻ってこなくていいもん!!』
その頃、両親は私に関心がなかった。
私といてくれたのはその子だけだったから。
寂しかった。
それであんなこと言うのは、よくなかったと思うけど。
「たぶん、もうそのことは会えないんだ。海外に行って、帰ってくる予定がないって言ってたから。もう謝ることもできないね。でも、華恋ちゃんは近くにいる。華恋ちゃんは真白くんといると苦しそうにするけど、嬉しそうにもするよね」
私の言葉に、華恋ちゃんは驚いていた。
それから、ふっと笑った。
「そうね。私は…真白と仲良くしたい。本心よ。夢乃はそれに気がついていたのね」
うん、気がついてたよ。
口には出さなかったけど、最初から気がついていた。
華恋ちゃんが真白くんと会った時、泣きそうなくらい嬉しいって顔してたってことも。



