ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

ふたりにそんな過去があったなんて、全然知らなかった。


というか、スラムのことすら知らなかった…。


「で、その後天音はハンター協会最高幹部の蓮央さんに拾われて」


「私は双羽家の実子ってことになったの」


「そう…だったんだね」


なんだか悪いこと聞いちゃったかも。


そう思って、私は謝った。


「ごめんね。私、無神経でひどいこと聞いちゃった…」


「…っふ、別にいいよ〜。ていうか、嫌だったら話さないし」


「え?」


私はとっさに下げた頭を上げる。


「そうそう!私達からしたら、そうやって気遣ってもらえるだけで十分!」


彩鈴ちゃんも嘘を言っているようには見えなくて、私はホッとした。


よかった、ふたりを傷つけていなくて。


それから、天音さんが真剣な顔つきになって言った。


「それじゃあ、そろそろ本題に入ろっか?」


私と彩鈴ちゃんは顔を見合わせてから頷いた。


「突然だけどさ、ふたりは神様って信じる?」


「え…神様?」


「うん。って、これは質問が悪かったね」


コホンと言ってから、天音さんはもう一度言った。


「ふたりは女神の存在をどう思ってる?」


私は答えに困ってしまう。


「……それって、華恋ちゃんと関係あるってこと?」


彩鈴ちゃんは天音さんの質問には答えずに、そう聞いた。


そして、天音さんはニッコリ笑った。


「うん。関係あるね」


私は息を飲んだ。


そこでひとつの事実が記憶から出てきた。


「華恋ちゃんが女神だからですか?」


「その通り」


やっぱりそうだった。


「女神は寿命がないから、その体が死んだ時魂はまた別の体へと移動するの。今の言葉で言ったら、転生かな」


転生。


よく本とかで出てくるやつだ。


「華恋さんは今回の人生が3回目。1回目は大魔法使い一家アイリス公爵家のカレン・アイリスって名前で生きてたんだ。でも、魔力が少ないことから家族から非難された。使用人以下の扱いを受けて、毎日過激になっていくいじめ。そんな中で生きていて、ある日濡れ衣を着せられて処刑されたの」


なんてひどい。


私には公爵家とかはよくわからないけれど、それでもひどい扱いを受けていたということは伝わってくる。


「2回目は日系中国人の雨晴華恋になったんだって。裏社会の人間で、最強の女マフィアなんて言われてたみたい」


「っ…!それって、華恋ちゃんが前話してくれたことだよね…!?」


私は彩鈴ちゃんにそう聞いた。


彩鈴ちゃんはコクリと頷いた。


「なんだ。それは話してたんだね。じゃあ、ちょっと省こうか。それでね、2回目の人生の時華恋さんは真白斗亜に出会った」


真白斗亜。


華恋ちゃんとなにかしらの関係があるであろうあの人。


まさかそんな前から知り合いだったなんて。


「知ってるでしょ?最近夢色に来たみたいだもんね」


「うん。そうなんだけど…。でも、華恋ちゃんは真白くんを拒否してるみたいなんだよね」


それから、天音さんは真剣な顔になって言った。


「当たり前だよ。だって後ろめたいことがあるんだもん」


「後ろめたいこと?」


「うん。そうだよ。華恋さんは前世ね、斗亜の前で死んでるんだよ」


「「えっ?」」


私と彩鈴ちゃんの驚く声がかぶった。