今日のこと、本当に言ってよかったのだろうかとまだ後悔が残る。
実際、あんなことを言うつもりじゃなかった。
日系中国人の裏社会最強のマフィア、雨晴華恋。
現在はメア家の奴と探偵一家と暗殺者一家の、両家の血を継ぐ俺を探しにきてる。
自分は狙われてる身だし、これ以上関わるのは危険だというのに。
千智と紺凪も裏社会のマフィアだし。
「マジで何やってんだ…」
雨晴が今メア家にはむかって大変な状況にいる。
助けになってやりたいけど、それどころじゃないんだ。
プルル、プルル。
と、その時スマホが鳴った。
そこに書かれた人物を見て、すぐに通話を押した。
『兄さんどう?上手くやってる?』
「ああ、こっちは大丈夫だ。そっちはバレたりしてないか?」
『もっちろん』
幼い声がスマホから聞こえる。
こいつは俺の弟、レオ・メアだ。
本名は真聖琉叶、俺と同じくメア家と真聖家の血を持つ弟だ。
『奴らに動きは見えないけど、僕達じゃ仕方ないからねー。まあ、引き続き様子見かな』
「…そうか」
琉叶は奴らの情報や動きについて常に調べている。
俺は学園で探偵資格を取らなきゃいけないから、琉叶の存在には非常に助かっている。
でも、その反面心配は絶えない。
琉叶のことをメア家に知られたら、殺されてしまうかもしれない。
『心配しないで!僕は大丈夫だから!あっ、そういえば琉愛姉が目を覚ましたって!!』
嬉しそうにそう言った琉叶と同じように、俺も嬉しくなった。
俺の妹の真聖琉愛は、いくつもの病気をもっていて入院中だ。
目を覚ますことも珍しい。
「今から行ってくる」
『ええ!?もうこんな時間だけど…』
「琉愛がまた寝たら困る」
少しの間無言になってから、優しい声色で言われた。
『そうだね。いってらっしゃい』
「いってくる」
そう言って、俺は通話を終わらせて寮を出る準備をした。
***
コンコンッ。
俺は病院に着くなり、できるだけ早く琉愛の部屋に向かった。
ノックをしてから部屋に入る。
「琉愛…いるか?」
「その声は乃亜兄…?」
俺はその言葉を聞いて、涙を流しながら琉愛に抱きついた。
よかった、本当によかった。
「俺のこと覚えてたんだな」
「うん。るあはちゃんと覚えてたよ。今回はどのくらい寝てたのかなぁ」
琉愛の何気ない質問が、俺の心を痛めた。
答えたくないが、俺はゆっくりと言葉を発した。
「1ヶ月…だよ」
「そっかぁ。ごめんね、るあ役立たずで」
「っ…!もう、しゃべらなくていい」
琉愛から“役立たず”という言葉を聞くのが嫌いだ。
自分をそんなふうに言ってほしくない。
琉愛が普通になれないのは仕方がないのだから。
発達障害であり、普通の感情がうすれてしまっている。
記憶障害のせいでほとんどの人を覚えていることができない。
心臓病を持っていて、普通の人の半分しか機能しないため運動が全くできない。
不眠症にもなってしまって眠るのは1週間に一度といった頻度。
そして、謎の奇病。
吐血が普段目立った症状で、医師にはいつ死ぬか分からないと言われている。
それと、不眠症もあいまってか眠ったら最低でも2週間は起きない。
これも全部“呪い”のせいだ。
「うん。ごめんね」
いつか琉愛を救う女神が現れたら、そんなありもしないことを願っている。
奴らとの決着を、早期につけなければいけない理由は…。
「俺が絶対普通の生活ができるようにしてやる。それまで、頑張れ」
俺が言えるのはこれくらいしかないけれど。
琉愛の幸せを願っているんだ。
俺のたったひとりの大切な妹を守るために、今日も前へと進んでいく。
実際、あんなことを言うつもりじゃなかった。
日系中国人の裏社会最強のマフィア、雨晴華恋。
現在はメア家の奴と探偵一家と暗殺者一家の、両家の血を継ぐ俺を探しにきてる。
自分は狙われてる身だし、これ以上関わるのは危険だというのに。
千智と紺凪も裏社会のマフィアだし。
「マジで何やってんだ…」
雨晴が今メア家にはむかって大変な状況にいる。
助けになってやりたいけど、それどころじゃないんだ。
プルル、プルル。
と、その時スマホが鳴った。
そこに書かれた人物を見て、すぐに通話を押した。
『兄さんどう?上手くやってる?』
「ああ、こっちは大丈夫だ。そっちはバレたりしてないか?」
『もっちろん』
幼い声がスマホから聞こえる。
こいつは俺の弟、レオ・メアだ。
本名は真聖琉叶、俺と同じくメア家と真聖家の血を持つ弟だ。
『奴らに動きは見えないけど、僕達じゃ仕方ないからねー。まあ、引き続き様子見かな』
「…そうか」
琉叶は奴らの情報や動きについて常に調べている。
俺は学園で探偵資格を取らなきゃいけないから、琉叶の存在には非常に助かっている。
でも、その反面心配は絶えない。
琉叶のことをメア家に知られたら、殺されてしまうかもしれない。
『心配しないで!僕は大丈夫だから!あっ、そういえば琉愛姉が目を覚ましたって!!』
嬉しそうにそう言った琉叶と同じように、俺も嬉しくなった。
俺の妹の真聖琉愛は、いくつもの病気をもっていて入院中だ。
目を覚ますことも珍しい。
「今から行ってくる」
『ええ!?もうこんな時間だけど…』
「琉愛がまた寝たら困る」
少しの間無言になってから、優しい声色で言われた。
『そうだね。いってらっしゃい』
「いってくる」
そう言って、俺は通話を終わらせて寮を出る準備をした。
***
コンコンッ。
俺は病院に着くなり、できるだけ早く琉愛の部屋に向かった。
ノックをしてから部屋に入る。
「琉愛…いるか?」
「その声は乃亜兄…?」
俺はその言葉を聞いて、涙を流しながら琉愛に抱きついた。
よかった、本当によかった。
「俺のこと覚えてたんだな」
「うん。るあはちゃんと覚えてたよ。今回はどのくらい寝てたのかなぁ」
琉愛の何気ない質問が、俺の心を痛めた。
答えたくないが、俺はゆっくりと言葉を発した。
「1ヶ月…だよ」
「そっかぁ。ごめんね、るあ役立たずで」
「っ…!もう、しゃべらなくていい」
琉愛から“役立たず”という言葉を聞くのが嫌いだ。
自分をそんなふうに言ってほしくない。
琉愛が普通になれないのは仕方がないのだから。
発達障害であり、普通の感情がうすれてしまっている。
記憶障害のせいでほとんどの人を覚えていることができない。
心臓病を持っていて、普通の人の半分しか機能しないため運動が全くできない。
不眠症にもなってしまって眠るのは1週間に一度といった頻度。
そして、謎の奇病。
吐血が普段目立った症状で、医師にはいつ死ぬか分からないと言われている。
それと、不眠症もあいまってか眠ったら最低でも2週間は起きない。
これも全部“呪い”のせいだ。
「うん。ごめんね」
いつか琉愛を救う女神が現れたら、そんなありもしないことを願っている。
奴らとの決着を、早期につけなければいけない理由は…。
「俺が絶対普通の生活ができるようにしてやる。それまで、頑張れ」
俺が言えるのはこれくらいしかないけれど。
琉愛の幸せを願っているんだ。
俺のたったひとりの大切な妹を守るために、今日も前へと進んでいく。


