裏社会の私と表社会の貴方との境界線

ツキの優しさに触れて、ぽろぽろと私の目から涙が溢れる。


「ごめ…私、私……っ、泣くつもりじゃ」


「うん、大丈夫だから。僕がいるよ」


私を優しく包み込むかのように抱きしめてくれた。


その温もりにとても安心する。


あぁ…私、幻でも見てるのかな?


だって、普段のツキがこんなことするわけないじゃない。


幻ならもうどうでもいいやと思い、私もツキに抱きつく。


ツキの体が私の行動に反応して、ビクッと跳ねる。


「…華恋が寝るまでそばにいるから、安心して寝てね」


今の私には、その言葉だけで心が満たされた。


自分はこんな風に大切に思われていい人間じゃないはずなのに。


でも、欲張ってしまう。


幻ならいいよね?


「…ねえ、ツキ」


「ん?何?」


「一緒に寝てほしいの。また昔の夢を見るかもって怖いから」


私とツキの目が合う。


そして、ツキは右腕で真っ赤な顔を隠した。


「ごめん…いやだったよね?なら…」


「い、いいよ」


流石に通るお願いじゃないだろうと思っていたのに。


ツキは優しく笑ってくれた。


「あ、ありがとう…」


今、きっと私の顔は真っ赤だ。


こんなツキ見たことない、ドキドキする。


「ほら、寝るよ」


座っていたツキは、私の隣に横になった。


それを見て、私も一緒に横になる。


横になってかけ布団をかけると、一気に私を睡魔が襲った。


「ツキ…ありがと」


そう言って私はまた夢の中へと入っていった。


「華恋、早く僕を選んで、早く僕のものになってね。おやすみ、大好きだよ」


ツキがこんなことを言っていたのは知らずに。