裏社会の私と表社会の貴方との境界線

***


「いやあぁぁぁぁぁ!!!…はぁ…はぁ…」


私はどうやら昔の夢を見ていたみたいだ。


忘れたい昔のことを思い出してしまった。


震える手で、かけ布団をぎゅっと握る。


「華恋!大丈夫か?!」


「え…だ、れ…?」


まさか自分の部屋に誰かがいるなんて思わなかった。


驚きで一瞬、夢のことなんて吹き飛ぶ。


「僕だよ、ツキ」


言われるまで誰かも認識することができなかった。


ツキは私のベッドの隣に椅子を置いて座っていて、とても不安そうな顔で私を見た。


「すごく辛そうだったから…あと、勝手に部屋入ってごめん」


「…いいのよ。もう大丈夫だから…」


心配をしてくれるのは嬉しいが、今はひとりになりたい。


こんな弱い私を見られたくない。


こんなんじゃ、お父様にマフィア失格と言われても仕方がない。


「大丈夫そうには見えないから。まだここにいさせて?」


ツキはなんで気づいてしまうのだろう。


明るくいつものように振る舞った…つもり。