裏社会の私と表社会の貴方との境界線

ー30分後ー


クラスの男子達から、ようやく解放された。


昔からこうやって近寄ってくる人などたくさんいたので、慣れているといっては慣れているが面倒くさい。


ツキはまだ女子達に囲まれていて、「助けてやるか」と近寄ろうとした時に——。


「君、雨晴華恋って言ってたよね?」


また話しかけられてしまった。


話しかけてきたのは、先程からずっと私のことをずっと見ていた男子生徒だった。


ふわっとした茶髪の髪はもう少し伸ばしたら目や耳を隠してしまうようなくらい長く、身長は170センチちょっと。


目尻に縦に並んだ2つのほくろが特徴的だった。


「ええ、そうよ。私に何かようかしら?」


早く帰りたいという気持ちが強くて、少し冷たい態度をとってしまった。


けれど、そんな私の態度にも何も言わず男子生徒はふっとと穏やかに笑った。


「僕、真白斗亜っていうんだ。君のペア。まあ、よろしくね」


「貴方だったのね!わざわざ言いにきてくれてありがとう。私もペアとして足を引っ張らないよう、誠意いっぱい頑張るわ!」


にこっと笑いかけると、笑い返してくれた。


周りとは違う反応を見せてくれる、やっぱり面白い子だ。


「真白斗亜」…だんだんと興味が湧いてきた。


「それじゃあ、そろそろ失礼するわね。ごきげんよう、また明日」


ぺこりと頭を下げて礼をする。


「うん、また明日」


私はツキのところへ向かうため、真白に背を向けた。