幽霊姫は止まれない!

 とは言っても王女という身分もそのままなので、王家主催の夜会なんかはオスキャルと一緒に王族側として出席もしていた。あまりにも過保護で笑っちゃうけれど、こんなことが許されるのも平和の象徴と思うと悪くない。

(あんまり生活としては変わってないような気もするけど……)
 一番大きく変わったのが、オスキャルが護衛騎士ではなく近衛騎士団の団長になったことである。
 彼が職場に通いやすいから、という理由で王都の近くの領地を与えられたという側面もあった。

「とか言っても、最近は夜会どころか王城にも全然足を運んでないんだけどねぇ」
 今日はいつもより暖かいから、と庭園の東屋で届いた手紙へと目を通していた私は、ある一通の手紙に目を見開いた時だった。
 仕事が早く終わったのか、大きな羽織ものを何枚も抱えたオスキャルが邸内から走って出てくる。

「エヴァ様! 体が冷えたらどうするんですか!?」
「オスキャル、また様付けに戻ってるわよ」
「すみません……って、そこよりも体ですよ! 風邪でも引いたらどうするんです、今はひとりの体じゃないじゃないですか!」