幽霊姫は止まれない!

「ブランカ姫は耳が良かったよね。見合い相手のひとり言でも聞こえた?」
「あら……、貴方、とても頭がいいのね」
「これくらいは見抜けないと、王太子とかやってられないでしょ」

 感心したように目を輝かせるブランカに、サイラスが苦笑交じりに答える。
 正直私は何ひとつ気付けなかったので、ふたりのやりとりにきょろきょろと顔を動かすばかりだ。
 
「そう。ひとり言は聞いてないけれど、お相手は私ではなくビアンカに一目惚れしたみたい。双子なのに私にはチラリと視線がこなかったわ。ビアンカを見て、心音がうるさいくらいに大きくなったの」
「あー、心音ね。それで相手の気持ちがわかるってことは、もしかして相手が嘘を吐いてるかとかもわかりそうだな……」
 サイラスもま姉の能力に感心したような顔をする。そんな彼に、姉が一歩近付いた。
 
 元々彼の隣まできて立っていたため、体がピッタリと引っ付きそうなほどの距離感に、私だけでなくサイラスもギョッとする。

「ドキドキしてるわね」
「そりゃ、いきなりこれだけ距離を詰められたらね!?」