幽霊姫は止まれない!

 そもそも王太子という立場も相まって選び放題。選び放題だからこそ、どこかに決めかねてしまっているのだ。
 俺が恋に落ちる必要はない。第一王子として生まれたのだ、自分の考えは国の総意であり、答え。想いなんてきっと後からついてくる。いや、もしついてこなくても、相手を尊重し共に歩めるならばそれでいい。
 大事にするし、幸せにする自信もある。

「資源豊の小国の姫……、いや、公爵家の令嬢が魔力に恵まれてなかったな、そこに恩を売るのも悪くないし」
 魔力は血によって遺伝する。強い魔力を持った者の子供も魔力が多くなる傾向があるせいで、魔力が少ないと嫌厭されがちだが、ソードマスターほどの魔力を開花させた者の両親もソードマスターかと聞かれれば否だ。
 つまり、俺が「魔力」を使えなくても、俺の「血」が繋がれれば子供には必ず遺伝し魔力は宿るのだ。
 
「そう考えれば、ソードマスターの条件で結婚相手は自国の者ってやつ、不毛だよなぁ」
 ソードマスターが国外に嫁ぐことを忌諱してのことだが、そもそも剣術を嗜む令嬢は少ない。その少ない人数の中、女性でソードマスターになった者は過去にいなかったはず。